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Mavic 3 Thermal
赤外線検証

市役所の方々とDアカデミー様、弊社にて、壁面を赤外線ドローンで点検が出来るのかを検証しました。
点検には新商品の「Mavic 3 Thermal」を使用しました。もしドローンで点検が出来れば、打診法で行うよりも遥かに効率化に繋がります。

点検の説明

日照されて数時間後だと壁が暖められて、より浮き(高温部)が赤外線カメラで確認しやすいということで、皆様には朝早くに集まっていただきました。赤外線建物診断技能師コースを開いているDアカデミー様から、検証開始前に赤外線診断についてご説明いただきました。

ちなみに「Mavic 3 Thermal」の赤外線カメラのスペックは下記の通りです。

  • 動画解像度 640x512@30fps
    ※5階建て以上の大型物件浮き・剥離外壁診断、太陽光パネル不具合診断にも使える解像度
  • 温度分解能(NETD)≤50 mK@f/1.1
    ※赤外建物診断に最適な0.1℃以下で、建物診断に適しています。
  • 赤外線温度測定の精度 ±2°Cまたは±2%(大きいほうの値を使用)
  • 温度測定範囲 -20℃~150℃(高利得モード)0℃~500℃(低利得モード)

自動航行のルート作成

今回点検する壁面です。外見上、右側は変状が見当たりませんでしたが、左側は目視でもクラックや遊離石灰などの変状が確認できます。

右側

左側

最初に赤外線のオルソデータを作成しました。自動航行のルートを、市役所の方と一緒に作成しました。「Mavic 3 Thermal」の送信機に入っている「DJI Pilot 2」ですと送信機の電源を点けてテザリングでWi-Fiに繋ぐだけで、外の現場でも簡単に自動航行ルートを作成できます。今回も5分程でさっと作成できました。

シャッタースピードがPhantom 4 RTKの2秒から0.7秒に早まったことで、今回のマッピングミッションでサイド・オーバーラップ率共に90%と高ラップ率で設定したのにも関わらず、4m/秒程の驚異的なスピードで飛行できるようになりました。そのおかげでかなり飛行時間が短縮されました。

機体を展開/フライト

自動航行ルートが出来たので機体を展開しました。
Mavic 3 Thermal」は脚を広げてジンバルガードを取り外すだけで飛行準備が完了します。
1kg以下で軽くて持ち運びも容易なのに、脚やカメラを取り付けたりする必要がなく展開が早いので、人命救助等でもかなり活躍しそうです。

フライトは今回あえて手動で離陸を行いました。
自動航行のルートを先程組んだので、そのままミッションスタートでも良かったのですが、今回は電線が近くにあって、自動航行での離陸は危険だと判断した為です。
設定した高さまで機体を上げた所で、自動航行のミッションをスタートさせました。
赤外線カメラでマッピング撮影する設定にしたので、R-JPEGデータが自動で保存されます。
またミッションごとに勝手にフォルダーが生成されるので、データ整理もしやすくなっております。

バッテリー時間が45分と長時間になったので、マッピングミッションが終わった後にバッテリー交換をせずにそのまま別の飛行に移れました。
今回点検するコンクリート壁面の情報を補完するために、手動で壁面を横になぞって飛行させ、赤外線カメラでタイマー撮影を行いました。タイマー撮影間隔は2秒にして、解析をかけるための素材を集めました。少し風が吹いていましたが、動画の通り安定した飛行を見せてくれました。

DJI Terraで解析

赤外線オルソデータ(2D)

赤外線3Dモデリング

機体のSDカードを取り出してPCにデータを落とし込みました。その後「DJI Terra(Windows PCのみ使用可能)」にて解析をかけてみました。結果、画像のように赤外線オルソデータ(2D)が出来ました。2つのデータを合わせて解析をかけたことによって、3Dモデリング化させた際に点検箇所のコンクリート壁面があまり溶けずにデータ化をする事が出来ました。このデータがあれば現場にいなくても、コンクリート壁面の浮きの状態をPCで確認出来るようになりました。

2画面で点検/検証

次に壁面の動画撮影を行いました。動画撮影モードに変えて、壁面近くにドローンを手動飛行させて、赤外線カメラと可視カメラの2画面にして動画撮影を行いました。2画面連動ズームのおかげで赤外線カメラと可視カメラを同画角で横に並ばせる事が出来ます。赤外線カメラで見つけた異常点を、可視カメラで容易に確認する事が出来ました。この機能は赤外線点検業務でより生きると実感しました。

補足ですが「DJI Thermal Analysis Tool 3.0(Windows PCのみ使用可能)」を使う事によって、R-JPEGデータの分析と解析がPCでも可能です。またDJI公式サイトにて無料でダウンロード出来ます。

まとめ

検証の後、市役所の方にお話を聞かせていただきました。

「Mavic2と同サイズですが映像がより鮮明で、IRと2画面で比較して撮影が可能なことから近接目視での精度も高く、今回の吹付法面の空洞化の把握に有効であることが確認できました。
全方位センサーもあり小回りも効くため法面点検に限らず、橋梁点検や消火活動等でも活躍が期待できると思います。
一番に驚いたのは、バッテリーの持ち時間です。現在Mavic2で橋梁点検を行っていますが10分伸びるだけで、1回のフライトで点検できる橋梁数が増えるのでより良いと思いました。」

今回の検証を行って「Mavic 3 Thermal」がより点検に向いている事が分かりました。ドローンで点検を行う事によって、現在の手法より大幅な業務効率化が図れるかもしれません。一度ドローンを使用する事を検討してみてはいかがでしょうか。

システムファイブでは「Mavic 3 Thermal」の他に、全てのDJI産業用ドローンを取り扱っております。サードパーティ製のアクセサリーも充実しておりますので、ご興味を持っていただきましたらお気軽にお問合せ下さい。

提供:Dアカデミー株式会社様
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